普通の名前になりたかった母の話
道路を歩いていたら、道端にかわいい赤い実を見つけました。
上の写真です。思わず、スマホのカメラでカシャッと。
みずみずしく茂った葉っぱの中から、こっそりと顔をのぞかせる
その名は「ヘビイチゴ」
誰が名付けたのでしょう。
こんなに可愛いのに、こんなに可憐なのに
本当に失礼な命名です💢
和名の語源については実が食用にならずヘビが食べるイチゴ[1]、ヘビがいそうな所に生育する[2]、イチゴを食べに来る小動物をヘビが狙うことからなど諸説がある。毒があるという俗説があり、ドクイチゴとも呼ばれるが、無毒。以前はヘビイチゴ属に分類されDuchesnea chrysanthaと呼ばれていた。ヘビイチゴは人間が食べても体に害はない<Wikipediaより抜粋>
子どものころから、
忌み嫌うというほどではないにしても、
何となく恐る恐る眺めていたような草花でした。
名前にヘビが付くから近くにヘビがいるんじゃないの?
実が鮮やか過ぎて毒々しく、毒があるんじゃない?
そんな先入観からか、触ったりした記憶はありません。
でも毒もなく、ヘビともあまり関係なさそうです😅
ヘビイチゴがヘビイチゴでなく違う名前だったら、
タンポポやスミレまでとはいかないにしても、
そこそこ愛された花になっていたかもしれない。
そう思うとなんだか可哀そうに思えてきます。
♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡
名前といえば、2年前に亡くなった母のことを思い出します。
母の名前は、本当に、本当に変わった名前だったのです。
片仮名で三文字
どこを探しても、同じ名前の人はいないと思います。
母はいつも嘆いていました。
普通の名前を付けてほしかったと。
この名前のせいで、小さい時から笑われていたそうです。
きっと辛い思いをしてきたのだと思います。
その話を聞かされるたびに私は、切ない気持ちになっていました。
母の姉妹は母の他に3人いて、〇〇恵、〇〇子、〇〇子という名前。
普通ですけど、どちらかと言うときれいな響きの名前。
どうして、自分だけが、なぜ、なぜと幾度となく地団駄を踏んだことでしょう。
母の名前を付けたのは
母の祖母だったとのこと。
このおばあさんが元凶だー💢💢💢
おばあさんは、母が生まれた時に、
自分に名前を付けさせないと、子守りをしないと言い張ったそうです。
母の家は農家
一家を支える母の父母は、子守りをしてもらわないと
生活に支障が出てくることを案じて
やむなくおばあさんに命名の権利を譲ったのだと。
その結果が…
きっとおばあさんはこの時、ご機嫌が悪くて
そんな無茶ぶりをして命名権を獲得して
自分勝手に変わった名前を付けたのだと思います。
ご機嫌が悪くなかったらこんな顛末にはならなかったかも?
おばあさんの気分のせいで
人ひとりの人生を変えたことになるかもしれません
そう思うと、母が不憫でなりません。
85年前にタイムスリップして私は、そのおばあさんに
思いの丈をぶつけたい!
いいえ、怒鳴りつけてやりたい!
過激過ぎました(笑)
母は晩年は、手紙などを書く時など、
〇〇〇の名前の上二文字に子をつけて
〇〇子と書いていました。
嬉しそうでした。
その時だけでも念願の普通の名前を手に入れた
そんな気分になっていたのかもしれません。
ヘビイチゴから始まり、だいぶ飛躍しましたが、
母のことを愛しく思い出しました。
今週の日曜日は母の日。
仏壇にカーネーションを供えることにします。
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