聞かなきゃよかった
仕事で利用者さんのお宅を訪問した時のこと。
その日は1月15日でした。
旧暦で言うところの「小正月」です。
私が支援しているのは、そのお宅のご主人。奥さんとのふたり暮らしです。
ご主人は、体は少し不自由ですが、受け答えはできる方。
いろいろと話をする中で、
私、今日の朝ごはんの内容についてお聞きしました。
朝一番の訪問だったのです。
高齢になると近い記憶(短期記憶)が定着しない傾向にあります。
本人の状態を確認する意味でも
食事内容とかは、時々お聞きする質問なのです。
そしたら少し考えて、「いつもパンだから、今日もパンだった」と。
奥さん、すぐに身構えキリッとした表情で
「今日は違うでしょ!!」
本人、「そうかな?」と言いつつ、
記憶を手繰り寄せているようでしたが、思い出せないよう。
業を煮やした奥さん、
「今日は、小豆粥だったでしょ」と。
私、それを聞いて今日が小正月だと言うことに初めて気付くのでした。
古式ゆかしく季節の行事をきちんと踏襲されていて
小正月のこの日、
奥さんは、ご夫婦の健康を願って特別な朝ご飯を準備されたのでしょう。
それを覚えていないなんて…( ノД`)シクシク…
心遣いが露と消え、
そして、ご主人の記憶力の低下を目の当たりにされてしまったのです。
奥さん、落胆の表情。
私がこんなことを聞かなければ、
奥さんはショックを受けずに
穏やかな小正月を過ごすことができたのに…と思うのでした。
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