K's diary

60代フルタイム操業  暮らし中の悲喜こもごもをサクッと書いていけたら♪

言葉のチョイスがすごい


会いに行くことが楽しみな方がいます。
80代後半の女性、ひとり暮らしです。


病気をいろいろ抱えていて、往診医と訪問看護師さんに診てもらい過ごしています。
体調は万全ではなく、年金暮らしで経済的な余裕もないはずですが、
愚痴とか不満は一度も聞いたことがありません。
いつも笑顔なのです。


この方の口から出てくるのは、思い出話とか日々の生活の中のエピソード。


それらを語る時の言葉のチョイスに、いつもハッとさせられるのです。


前回お会いした時は、遥か昔の子育て期のことを振り返り
「自分の人生は、鍵穴から覗くような人生だった」と笑いながら言われました。


まるでポエム✨


詳しい経緯はわかりませんが、女手一つで息子さんを育てられてきたようです。


当時、周りの子どもたちやそのお母さん方の意気揚々と振る舞う姿を目の当たりにし、
おどおどと暮らす自分の姿がそんな風に思えたそう。


話をしていると宝石のような言葉が会話の中から溢れ出てくるのです。


メモを取りたくなります、忘れないうちに。


ものごとを形容することが得意な方だと思います。
それに人間観察が鋭くて、視点がユニークなのです。


以前、一度この方のことを書きました。
自慢話が鼻につかない人 - K's diary



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先月、訪問した時には、ご自身の子どもの時の話をされました。
この方、北国の生まれで卒業と同時に上京されたそうです。


遠い昔、食卓に初めて見るような肉料理が並んだそう。
初めて口にする味だったとか。
まずかったそうです(笑)


お母さんに何の肉?と聞いたらトドの肉だと。
トドは食べてもいいの?と問うと、
「人間はトドの領域には入らないけど、トドが人間の領域に入って来た」と返して来たそう。


またある日、この方が鮭を焼いて食卓に出したら、
お母さんに焼き過ぎだと叱れたそうです。


お母さん曰く「鮭は、息を吹きかけるぐらいに焼くのが丁度良んだよ」


この母にしてこの人ありと思うのでした。


来週伺いますが、どんな話が聞けるか楽しみです。